2011.03.06 Sunday
そんな、恋のおはなし
とてもとても心の底から
恋しくて、いとおしい。
そんな人に
出逢いました
想えば想うほど
想いは、つのるばかりです
でも
そんなあなたは
運命のいたずら
出逢ったその時、すでに
他のひとの、配偶者、でした
そんなあなたを
恋慕うことは
決して許されないこと
わかっているから
せめて
あなたが愛した音色に
私の想いをのせて
切なく、この上ない美しい旋律にして
この想いをとどめておきましょう………
……………
そんな、恋のおはなし。
ワタシメの今の気持ち、
で。
は。
なくて。
ワタシメが、今、弾いている
「ブラームス」の、おはなし。
…でした。
なにですか?
びっくりしたやん!!ですか?
ははは〜。
すみませんm(__)m。
「アナリーゼ」(音楽の専門的な解釈)なんてことは、ワタシメにはできないけど。
なんちゃって、ワタシメ的、勝手な曲の解釈。
久しぶりの雨降りの夜に。「雨の歌」
そんな副題の付けられた、曲のこと。
言葉にしてみようかな、と…。
ブラームスは。
恩人、シューマンの奥さん、クララに、恋をしました。
クララは。
ブラームスの書いた「雨の歌」という歌曲を、こよなく愛したと、言われています。
はい。
今私が弾いている「ヴァイオリンソナタ第1番(の、チェロ編曲版)」は。
ブラームス自身が書いた歌曲「雨の歌」の主題を用いて書かれた曲、なんです。(…ま、正確に言いますと、3楽章の主題が歌曲「雨の歌」の主題なので、ワタシメが弾いている1楽章に雨の歌の主題は出て来ないんですけど、ま、そこはワタシメ、本当に趣味でなんちゃってでチェロ弾いているだけなので、専門的なことは置いておいてください、ってことでお許しください。)
はい。
ブラームスが恋したクララが、愛した歌曲。
その歌曲が、原曲になって作られた曲こそ、ワタシメが今弾いている、雨の歌、というソナタなんです。
クララは、ブラームスが書いた、歌曲「雨の歌」を。
好んでよく聞いていたと、いわれています。
ブラームスは、自分が想いを寄せる、クララが、好きだと言ってくれた自分の作った歌曲、雨の歌、を。
自分にとって、いとおしいと想う、そのひとが、好きだと言ってくれた自分の曲、だからこそ。
ヴァイオリンとピアノを使って。
更に、美しい旋律を持った曲にしたい、と、思って。
ブラームスは、雨の歌という歌曲を。
あえて、ヴァイオリンソナタに書き替えたのかな、って。
そして。
クララが愛した、雨の歌という歌曲の、切ない旋律は。
美しい旋律の1楽章、憂いのある旋律の2楽章をともなって。
「ヴァイオリンソナタ第1番」に、なった。
のかな、って…。
雨の歌の歌曲と、ヴァイオリンソナタの作曲時期や、クララとブラームスのその時の年齢や立場がどうリンクするのか、なんて、私全くちゃんとわかってないですし。
そもそも、ブラームスがどれだけクララを思っていたのか。
クララが、本当にブラームスの歌曲「雨の歌」をこよなく愛したのか。
ブラームスがクララが愛した曲だからという理由で、歌曲だった「雨の歌」を、ヴァイオリンソナタに書きなおしたのか。
ホントのことは、全くわからないので。
あくまで、私の勝手な想像だけで、勝手に書いているだけ、なんですが。
しかも。
私には、ブラームスやクララの本当の想いや、考えは、当然、全くわからない、わけなんですが。
そして。
私には、100年以上前の、偉大な作曲家と天才と呼ばれたピアニストの恋の真相なんて、わからないけれど。
でも。
この曲には。
確かに、私が弾いている1楽章も。
雨を想像させるような、雫が地面に落ちてゆくような、そんな音色が随所に出てきますが。
雨の情景だけを想像するより。
春先の、少し冷たい雨の夜に。
かなわぬ想いを、両手に包むみたいに。
静かに、やさしく。
そっと、感じて
ひそやかに、それでも、いとおしいあなたのことを。
決してそばにはいられないあなたのことを。
想って、おもって。
遠く、そして。
一番近くに。
あなたが、いることを、知る。
それが。
どこまでも、限りなく切ない。
こんなに、美しく切ないメロディには。
そんな、やさしくも切ない、想いがあるんじゃないかな、と。
そう、思って。
自分の想いを音に紡いで。
このメロディを、奏でたい、と。
春先の雨降りの夜。
雨の歌に、かなわぬ切ない恋を、想うのです………
| kiriko | チェロ練習帳♪〜kiriko〜 | 23:10 | comments(0) | - |