2008.02.21 Thursday
探し物の贈り物。
♪さがしものはなんですか〜みつけにくいものですか〜♪…と。
この曲が頭の中に流れてるワタシメ。
というのも。
「探し物をしてるんだけど、見つからない!」
と、ここ何日か、おっしゃられてる方がいらっしゃいまして。
「探しものって、本当に見つからないことが多いですよね…ワタシメもね、いろいろなくすんですよ…」ってお話をしているうちに。
ワタシメ自身の探し物にまつわる思い出話を、ふと思い出したので。
今日のお話は、そんなワタシメの思い出話です。
もう5年くらい前の話です。
ある朝、出勤したら。
ワタシメの職場の机のデスクマットに、四つ葉のクローバーが。
そこに、ひとつ、はさまれていました。
大きな鮮やかな緑の、きれいなクローバーです。
「誰が、置いていったんだろう?」
って。
置いた主を探して、心当たりの人にたずねていくと。
クローバーをそっと置いてくださった主が現れました。
その主は。
当時一緒に仕事をしていた、同じ課の上司の方、でした。
同じ課に居ながらも。
出先機関に勤務されたため、普段は電話でやり取りすることがあっても、顔を合わせることはあまりない、という方だったんですが。
そのクローバーの主がわかった、その時。
こんな素敵なお話をしてくださったのを、今でも覚えています。
「僕が、スポーツジムへ行った帰りに、その玄関で、小学1年生くらいの女の子が、座り込んでたから、どうしたの?と、声をかけたんだよ」
…それって、あやしいおじさんって思われたのでは??
「そしたらね、その子『一円玉を探しているの』って、泣きそうな顔でいうんだよ」
一円玉??
「そう一円玉。なんで?って、僕も思って聞いたら『おつかいに出かけて、そのおつりの一円玉、なくしたらお母さんに怒られるの』っていうんだよ」
はぁ、いわゆる「はじめてのおつかい」ってのかなぁ?…
「一円くらい、いいじゃないか、って、僕も思ったし、おじさんが一円玉あげるから、早く帰りなさい、って言いかけたさ、でも、その女の子、必死で、玄関脇の草むらの中、探してるんだよ。だから」
一円玉、あげたんですか?
「だから、僕も、時間なかったんだけど、一緒に、探してあげたんだ。結局、30分近く一緒に探したかな。あきらめかけたその時、その女の子が『一円玉、あった!!』って、うれしそうに、一円玉を手にしててね。本当に、一円玉、みつかったんだよ」
見つかったんですか!
よかったですね。
一円玉とはいえ、その子には大切な一円だったんですよ…。
って。
………なんでワタシメ上司の良い人ぶりの美談聞かされてるんだっけ??
と、心の中で思った時、このお話に、先があることに気づきました。
「気をつけてお帰り、って、その女の子に言って、立ち去ろうとしたら、その子がね『おじさん、まって!!』っていうんだ」
もしや…。
と、ワタシメもその時思いました。
読んでくださってる皆様の、ご想像通り、このお話は続きます。
そうです、もう、お分かりですね。
「『これ、一円玉探してる時にね、見つけたの、四つ葉のクローバー、本当はお家に持って帰っておかあさんにあげようと思ったけど、おじさんが、一緒に探してくれたから、おじさんにこれ、あげる!』って、その子が言って、僕にくれたんだ」
でも、なんでそんなクローバーが、ワタシメのデスクマットに??
「その後、書類を出すために(kirikoの居る方の)職場に行ったんだけど、勤務時間外で、そこには誰も居なかったからとりあえず、帰ろうとした時に、桐ちゃんの机の前で、思いついたんだよね」
思いついた??
「そう、こんな大事なクローバーを僕が持ってても意味がない、これは、桐ちゃんみたいな子が持ってるほうがふさわしいんじゃないか、って。だって、僕はこのクローバーを正直『こんなものもらってもなぁ』って思って、捨ててしまおうか、と思ってしまったんだよね。」
捨てるっ!?
なんてひどいっ!!
「だろ?このクローバーを捨てようと思った僕の話をしたら、絶対に桐ちゃんは怒るだろうなぁって、桐ちゃんの机の前で怒るあなたの顔が思い浮かんでね。その時に、そうだ、一円玉の女の子の優しさをちゃんとわかってあげられる桐ちゃんに、このクローバーを持っててもらうのが一番いいって、捨ててしまおうなんてそんなこと思ってしまった僕が持ってたらだめだ、と思ったんだ。」
いや、でも、その女の子は「おじさんありがとう」の気持ちとしてクローバーくれたんでしょう??
「でも、やっぱり桐ちゃんは、僕の思ったとおり、このクローバーがとても意味のあるクローバーだと、そう思ってくれてるじゃないか。だから、あなたが持ってるほうが、きっと女の子も、喜んでくれると思うし、そんな優しい心を持ったあなたが、幸運のお守りとして、もっていてくれて、幸せになってくれたら、って僕も思うから」
ワタシメ、そんな素敵な女の子の、思いのこもったクローバーを持ってるだけの価値のある人間じゃないのに…。
確かに、いやなことはたくさんあるから、幸運のお守りとしてくださるのは、すごくうれしいですが…。
(確かその時って、父が倒れて入院した頃だったと思うんです…。)
でも、ワタシメに、そんな大切なクローバーを持っている資格は、絶対にないよなぁ…って。
すごく恐縮してしまいながらも。
せっかくのお気持ちは大事にしなきゃ。
捨ててしまうなら、ワタシメが持っておきましょう!って。
と、いうことで。
それ以来、デスクマットにずーっと。
その四つ葉のクローバー、挟んでたんですが。
押し花のちゃんとした方法を知らずに、そのままにしてたから。
いつしか、それは黄色いクローバーになってしまっていたけれど。
それでも、大事に、はさみ続けていました。
が。
この素敵なエピソードにも。
ちゃんとkiriko的おまけがついています。
去年4月、人事異動で、職場変わりました。
今の職場へお引越しした時、間違えなくそのクローバー、持ってきたはずなのに。
ちぎれたり、折れたら困るから、と、何かにはさんで、大事に運搬したことまでは覚えてるんですが…
今の職場のデスクマットの上に、クローバーの姿はありません…。
探したけれど みつからない…。
です。
ごめんなさい。
ワタシメはやっぱり。
そんな資格のない人だったんだなぁ…。
そのうち、どこかからでてこないかな…と思っているのですが。
いつか、きっと。
見つかることを信じて、機会を見つけては、探し続けたいと思います。
そして、今日のおまけ。
このお話をするきっかけになった、探し物のお話。
「探してるけど見つからない!!」と、ワタシメにある方がおっしゃってる、探し物。
その方にとっては、もちろんなんですが。
実は、ワタシメにとっても。
「絶対出てきて欲しい!」と思う物なので。
夢の中へ行く前に、星に願いを…です。
「片想いの音楽」が、明日こそ、みつかりますように…。
| kiriko | kiriko雑記帳 | 01:23 | comments(0) | - |