2011.04.29 Friday

片想いの音楽

今私が弾いている、ブラームスの話です。

『雨の歌』

そんなタイトルがついているソナタだけど。

私が弾いている1楽章は。
雨の歌のフレーズを連想させるような主題から、はじまるけれど。
決して、雨の情景を歌った曲ではなくて。

永遠に適うことのない、ひたむきな片想い

静かに、時に、不安に。
穏やかで、激しくもあり、混沌としているのに、澄んだ、そんな心模様。

想いは、自分の心に留めておこうって思っているのに。

いとおしさは。
とめどころなく、あふれて、あふれて。

だから。
心模様を、ひとつずつ、ていねいに。
いろんな響きで、曲にして表現した。

それが、この音楽なんかなぁ、って。

そう思って弾いています。
(…前にも、書きましたけど…。)

永遠の片想い。
決して、適うことはないけれど。
想いを、届けることは、できる訳で。

どこまで行っても、永遠に一方通行な想い。
だからこそ、不安になることもありました。
あなたが他のひとを、心から愛おしく思っていることだって、知っていて、それが、どこまでも切なくて…。
でも。
それでも、それでも。

やっぱり。
私、自分勝手に。

あなたのこと、ずっとずっと好きです。

ただ、それだけです。


心から、愛おしいひとに。
自分の想いを、届けるために。
この曲は。
すべてを吹っ切るように。
明確な意思表示をして終わっていきます。


私が。
この曲を、思う通りに弾けないのは。
もちろん。
1に練習不足2に練習不足、とにかく練習不足、10年間ずっと練習不足。
だから基礎なし、表現力もなし。
で、曲が騒音にしかならない。
ってことなんですが。

私の想いは。
結局、どこまでも中途半端なのかも知れません。

ブラームスが、シューマンの妻であるクララを、想い慕った気持ち。
私も、それと同じ位、チェロのことが好きで、って思ってたけど。
私の、想いは。
これだけ全く弾けないってことは。
やっぱりめっちゃ中途半端なんだなぁ、って思います。

と言う訳で。
明日が本番なので。
おとなしく練習しなきゃ、です…。

なるべく。
できるかぎり。
ちゃんと、弾こうと思います。

この曲は。
ずっと弾きたいと思っていた大曲で。
これを弾いたら、他に目標とする曲がない、って曲だから。
私にとっては。
10年分の総仕上げ的曲であることは間違いないです。
加えて。
自分の状況を冷静に考えたら。
永遠の片想いを届ける音楽であると同時に。

「さようならの音楽」

かも知れないから…。

 

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