2007.08.29 Wednesday

暗譜。

と言うわけで。
タイトルどおり、本日チェロのお話、です。
あ、今日「チェロの日」でしたので。
(せんせいが我が家にやってこられる個人レッスンの日、です。)

なんちゃってチェロ弾きなワタシメkirikoですが。
現在、チェロ弾き歴7年目になりました。
(正確に言うと、チェロ歴6年と2ヶ月と12日、です、笑。)

丸6年も弾いていれば。
とりあえず、ちょっとずつは進みまして。
今、チェロ弾いてたら誰もが通る道、と言われてる(…はずです。)、
「バッハの無伴奏チェロ組曲」
なるものを、弾いてます、が。

この曲集。
1番〜6番まで、ありまして。
1番につき、6曲、曲がついてます。
(まぁ簡単に言うと、1番の1楽章、2楽章…的な感じで、1曲に6楽章まである、と思うとわかりやすいですかね。微妙に説明間違ってると思いつつ、わかりやすいのは多分そんな感じかなと、個人的に思うワタシメです。)
なので、6曲×6番までイコール36曲!
…の、壮大な曲集ですが。

今年の6月から弾いてるのに。
まだ、1番のプレリュード(もちろん1曲目です)が。
未だに終わりません!!
(…自慢にならない…。)

そうです、誰もが一度は耳にしたことであるだろう、あの超有名な曲です。
♪たららららららら たららららららら たらららららら たらららららら♪
…kiriko語で書いたらこんな表記にしかなりませんが。
とにかく、チェロって言ったら多分。
チェロのこと知らない人が、すぐ。
「あ、ヨーヨーマーさん!」って返事されますが。
それ並に、有名な曲です。
なんせよくコマーシャルでかかってる…。
この前はラジオの高校野球中継の時に、某建設会社さんのCMが流れてましたが、その時もこの曲使われてました。

そんなこんなで。
ワタシメがチェロ始めたときに目標とした曲もこれでした、否定はしませんです、が。

聴くと弾くとでは大違いでして。

なんなのっ!!この終始16分音符っ!!
しかも、どおしてこうもスラーの切れ目があちこちで違うのよ!!
さらに、なんでこんな指遣いするの!!

…例えて言うなら。
ケーキ屋さんのショーウインドウに、美しくておいしそうなケーキがありました。
その姿を、6年間、ずーっと見続けていて。
「いつか、あのケーキ食べたいなぁ…」ってずぅぅぅぅぅっっと思い続けてて。
やっとの思いで、そのケーキを買うことが出来て。
さ、いざ、食べてみましょう!
と、食べたら。
「へ?何この味?!」
…と、食べたら実はお塩で作られたケーキで、食べることすら出来ませんでした!!
ただただ、あこがれてたケーキは、しょっぱくて、泣けてくる味だった…。

そんな感じ!!

…と、前にせんせいに言ったら、せんせい、めっちゃ苦笑いされてましたが。
(にもかかわらず、翌週「塩ケーキ」を「ウエディングケーキ」に変えて同じ話を力説した記憶あり…。)

そうそう、とにかく。
バッハの無伴奏は、食べられない見掛けは美しいケーキ、です。
ってわけで。

おいしくないものは嫌いなワタシメにとって。
しょっぱいバッハは既に嫌いかも…の領域に入りつつありまして。
かなりな勢いで逃亡生活(=練習しない…。)続けてたんですが。

ワタシメのチェロの先生は「せんせい」です。
顔は常に笑顔で、話し方もとっても優しい口調で、いつも穏やか。
ですが。

「じゃ、これ、暗譜しておいて、な?」

…だから。
バッハは、塩でできたケーキでして、ちっともおいしくないです。
ってか、全部同じ16分音符なのに、スラーの切れ目が違いすぎで、パターン多すぎで覚えられません。
そもそも、ワタシメ小中学生のような「ずば抜けた記憶力」はもう残念ながら持ち合わせていません。
人間の脳細胞は20歳を過ぎると日々10万個だかのすさまじい勢いで消滅していくんです、なので。
この歳のワタシメに、暗譜はそもそも不可能です。

と、とにかく訴えるも。

「できるよ。」

…と、例によってあっさりひとこと。な、せんせい。
顔で笑って心はオニでしょう(T_T)と思いつつ。
せんせいに、最後のお願い(…ってワタシメ投票日前の選挙の立候補者みたい、笑。)のために、切り札なお話をしてみました。

「せんせい、deco師匠がこの前、言ってました。」
(このブログではおなじみdeco師匠、ワタシメの友人兼本業pianoのセンセイでワタシメもごくたまーにpiano教えてもらってます。)
で、ワタシメとにかく必死でせんせいに、師匠の話を話しました。

「師匠がね、ハードルの話をされたんです。」

ハードル??とせんせいきっと一瞬頭に?並んでいらっしゃったかもですが、とにかくワタシメ続けました。

「師匠も本業ピアノのセンセイです。で、自分の生徒にピアノのレッスンする時に『ここまでのことが出来たら○にしよう』っていうハードルを、決めてるんですって。しかも、です。そのハードルの高さは同じ練習曲でも、人によって全然違って。この子はここまで出来るから、ここまで出来たら○にするし、この子は、これくらい出来たら○にしようって。そういうハードルがあるの、って、おっしゃられてました。」

ふむふむ、と、納得されてるせんせいを横目にワタシメ更に続けました。

「師匠いわく、桐ちゃんのハードルは、多分ここってのが、せんせいにもきっとあって、桐ちゃんのハードルはきっと低いところに、せんせい設定してないはずと思うわ。だって桐ちゃんの目標はオーケストラに行くことだし、そんな生徒に、定年後の趣味でされてる方と同じ高さのハードル設定するわけないでしょう。だから、桐ちゃんの嫌いなバッハであったにせよ、ここまで、っていう所を越えないと、○にはしてもらえないの。」

…これをいつものことながらものすごい勢いでワタシメ、せんせいにお話したと思います。

これを言ったら、せんせい、きっと否定してくださるはずって思ったんですよ、実は。
ワタシメのハードル、そんな高いところに設定される訳無いですもん。
「きりこさんのハードルは一番低いところにしてますよ」
って、即答してくださるって思ったから。
一番低い所にしてますよ、って即答して下さったら。
「じゃ、バッハはとりあえずこのくらいで勘弁して下さいますよね♪」
と、切り返せる、って思ったのに。

のに。
せんせいの答えは。
まさに、予想外!!!ってので。
すっごい、うれしそうな笑顔でひとこと。

「そうなんよ、そう!うん、100%その通りなんよ、なー」

は??なんですと??

「(師匠の)言うてること、完全にあってる!」

ありゃ?だから、せんせい、違うってば…。

「あの、だから、ワタシメも、定年後の趣味で楽しまれてる方々と同じハードルの高さで良いんですけど…。」

と、ワタシメ、訴えるも。

「いやぁ、その話、本当にそのまんま、あってるんよ。だから」

「…だから??(いやな予感…←心の声)」

「次までに、暗譜な、バッハ」

…裏目に出るって、これのことを言うのでありまして…。
暗譜って、暗譜って、だって、だから、それは無理!!ってもう3ヶ月も前から言い続けてますし…。
のに、そんなワタシメの無理!って弱音な叫びを、いつものように却下されるせんせいです。

ワタシメがチェロ弾きになって7年目。
つまり、せんせいとのお付き合いも7年目になります。
それ位になってきますと。
せんせいもワタシメの性格多分熟知されてて。
「できないことから逃げるのは嫌い」
な、負けず嫌いな根性がどこかにあるの、多分ばれてるから。
しかも負けず嫌い根性が働いてるうちは、ワタシメがかなり必死で練習するのも、多分、せんせい知ってるんだろうなぁ…。
だから。
師匠いわくのところの「それなりの高さのハードル」を用意されるんでしょうねぇ…。

でも暗譜は○歳な頭には、結構きついですよ、せんせい…。
そうして、またチェロと過ごす夏休みが続いていくのです…。

 

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